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5.262016
【韓国】消えた子供の通報は毎年2万件、5月25日は世界失踪児童の日
5月25日は、世界失踪児童の日 って知っていましたか?
1979年5月25日にニューヨークで起きた当時6歳の男の子、イーサンくんの誘拐殺害事件を忘れないために、1983年5月25日に追悼の活動が行われたのがきっかけです。米国全土に広まり、今では毎年、世界各地で子供の失踪について警鐘を鳴らすため、さまざまな活動が行われています。
2016年5月24日の「世界失踪児童の日」(25日)を迎えるにあたり、韓国のメディアが韓国における児童失踪問題の深刻さを報じました。
通報から48時間以上も行方のわからない「長期失踪児童」の数は今月までに751人に上り、失踪から30年以上が経つ児童も246人を数えると報じました。
合計すると、約5,000人の乳幼児~義務教育児童が行方不明になっています。
この中には、貧困のため通学できない子供や、DV被害から逃れるまで居住地を転々とし住民票を届出ていないケースなど、犯罪とは異なる原因で行方が分からなくなっている件数も含まれます。失踪児童の家族は罪悪感から精神的・肉体的に病んでしまうことが多く、過度の飲酒や喫煙によって体を壊す人も少なくありません。子供探しの費用を捻出するため経済的に困窮し、離婚の危機に直面する夫婦もいます。
1999年、娘さんが自宅近くのバス停でバスを降りた後、姿を消してしまいました。以来17年もの間、父親のソンさんは全国を回って横断幕を掲示し、ビラをまくなどして探し続けていますが、未だ手掛かりは見つかっていません。
悲しみに暮れた奥様はうつ病を患い、娘さんを探す捜索チラシを手に自ら命を絶ちました。
失踪児童の親などがつくる、民間団体のソ・ギウォン代表はこう話します。
『防犯カメラの設置が進み、子どもたちがスマートフォンを持ち歩く現在でも長期失踪児童事件がなくならない原因について、韓国警察の捜査手法の問題を指摘する。警察は通報を受けて速やかに捜査に入るものの、失踪から48時間が経過すると事件は”長期失踪”に分類され、以降は捜査が円滑に行われなくなる。
統計上、各警察署が1年間に扱う児童失踪事件は約100件。捜査人員が不足していることもこの要因とみられている』
この報道に、韓国のネットユーザーからは次のようなコメントが寄せられました。
「1年に2万人とは衝撃だ。子どもたちはどこへ?」
「人身売買されていると考えると恐ろしくなる」
「重刑にして抑止力を持たせるべきだ」
「警察の中で失踪者を探す部署を作るべきだ」
「今の科学技術では、成長してどんな姿になっているか推測画像を作れるんだ。活用する手はない」
世界各国の子供の行方不明者は?
世界各国ではどうなっているのでしょうか。
アメリカでは平均で年間46万人、イギリスでは14万人、ドイツで10万人、インドで7万人、カナダで4万100人、オーストラリアとスペインでは2万人の子供たちが行方不明になっています。
民間NGOの児童失踪・児童虐待国際センター(ICMEC)によると、全世界では毎年800万人以上の子供が行方不明 になっているそうです。
これは、1日に22,000人の子供たちがいなくなっているという統計です。
その原因は、貧困国を中心に国際的犯罪組織による人身売買、身代金目的の誘拐、両親の虐待や育児放棄の果ての失踪、自然災害などに巻き込まれた結果の行方不明、さらには自発的な家出の少年少女も含まれます。
子供の安全を守る、防犯のためにできること
1,目を離さず1人にさせない
子供を狙う犯罪の多くは、1人になった隙に発生しています。
日本でも同様に、子供が1人になったときに誘拐事件が発生しています。「歩きなれている通学路だから大丈夫」と、考えてはいけません。毎日、同じ時間と同じ場所を通るため、犯罪者にとっては狙いやすく、子供の顔や容姿を覚えられやすい危険があります。
2,知らない人について行かないではなく、お父さん、お母さんに聞いてから
知らない人にはついて行かないでは不十分です。
子どもにとっては2~3回の挨拶をしたり顔を見たりした人は「知り合い」になってしまう危険があります。卑劣な犯人は「お母さんが急病で入院した。車で病院に連れて行ってあげる」という誘いをかけて車に連れ込むこともあり、実際に事件化しています。
3,子供にも危機感を持たせる
近年では、小学校入学時に防犯ブザーを持たせている学校が多々あります。
大きなサイレン音などを出して、不審者を撃退・周囲に危険を知らせる目的として非常に有効です。1,000~3,000円内で各種防犯ブザーが販売されており、ランドセル用、塾のバック用と用途に分けて購入する方もいます。何かあったらすぐに使えるように覚えておきましょう。
韓国警察庁によると、2012年から2016年4月までに届け出のあった18歳未満の失踪児童は約10万人。
2014年以降は減少傾向にあるものの、毎年2万件前後の失踪の届け出があります。親御さんが守れるよう注意を向けておくこと、害悪を除ける社会秩序、何よりも子供自身が危険を察知する、自分を守る力が必要にもなってきます。今一度、家族の安全について話し合うことが必要なのかもしれません。
韓国は今月31日、失踪児童に関する保護・支援関連法の制定から10周年を迎えます。