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9.92015
(図解入り)現役探偵が教える良い・悪い張り込み術
張り込みとは?
張り込みとは、ある場所に待機して見張りをすることです。
張り込みの仕方には主に2種類あります。
①立ち張り(たちばり)
立って張り込みをするやり方です。
車では入っていけない道路や駐車できない場所、ビルの中などで張り込みを行うなど、調査員が立って張り込みをすることはよくあります。時間にすると5分の時もありますし、4時間5時間と待つこともあります。1人で行うには肉体的・精神的にも過酷であるため、交代しながら行います。
勤務先からいつ出るのかな、あと30分で退社時間?
ホテルに入ったけど今日は泊まりでもう出ない?
毎回毎回、状況が違うために張り込みができる場所を確保することはもちろん、忍耐力が必要となります。
②車で張り込み
車の中から張り込みを行うやり方です。
周囲の目から警戒心を解き、目立たず、顔を見られずに張り込むことができます。
車の中ならエアコンあるし、快適なのでは?
いえいえ、車のエンジンは停止させます。冬場は快適ですが眠くなり、夏場は外よりも猛暑です。
良い張り込み術とは?
●次の図をご覧ください。
この姿勢はお叱りです。
仕事中に肘を付いて気を抜くなど、言語道断です。他の調査員が持つカメラ目線で、対象者様から目を離していることも減点です。
「なんかヒマだねー」
そんなこと言ってる場合ではありません。
●こちらが良い例です。
これは素晴らしいの一言です。
一見すると肘を付いているように見えますが、これは瞬時に動けるように態勢を作っています。すぐに立ち上がれるか、すぐに走れるかを考え、身を低くして360℃どの方向にも反応して、体力を温存しつつも気を張っている姿勢です。
●次に、ベテラン探偵と新米探偵の違いです。
ベテラン探偵の足先をご覧ください。
足がぴーんと伸び、つま先まで神経を通わせています。これも先ほどと同様、いつでも動くことができるように心身ともに構えて張り込みをしています。
首が良く動き、状況を捉えようとするやる気が伝わってきます。
●新米探偵の方は、ただ掴まっているだけという印象が否めません。
これではとっさの判断にも支障をきたし、第一歩目が出遅れてしまいます。結果、信号が赤信号へと変わり足止めを食らってしまうということがあります。
降りるのも大変そうです。
第一歩目が必要な張り込み術
張り込みとは、その場で待つということだけではありません。
対象者様が会社・お店から出たときには、すぐに尾行を開始して行動を見極め続けなければなりません。
その為、常に監視を怠らず、どのように張り込むかが次のアクションを起こす決め手となります。
●こちらをご覧ください。
理想的です。
木で自分の身を潜めることができ、周囲に障害物がないことから次のアクションを取りやすくしています。
体を手で支えているあたりは彼女の不安を感じ取れますが、調査員は常に不安を感じつつもキッパリと前を向いています。
●こちらは自然に馴染んで、長期戦にはピッタリです。
擬態という応用テクをお持ちですが、これでは第一歩目を起こすスピードが極端に遅くなってしまいます。
不審者通報をされて警察官に「もしもしあなた、何やってるの?」と問われてしまっては悲惨です。
「早く出てきなさい」「ちょっとお腹が引っ掛かっちゃって」これでは調査失敗です。すぐに動けて、なおかつ身を潜められる場所・状況を作っておくことが肝心です。
張り込み時の食事はどうするの?やっぱり牛乳とアンパンは必要?
結論的に、必要です。
刑事ドラマなどでよく見かける光景ですが、お腹が空いた時にはどうするのでしょうか。
通常、張り込みなど調査に入るときには2名~多いときは5名で入ることがあります。これは単純に出入口が5ヵ所ある場合には5名の調査員が必要となります。しかし、ご本人様(対象者様)を確認することは容易ではありません。いつもと違う服装、いつもと違う髪型、今日はメガネをかけている?
ちょっとした変化で、その人とは判断しかねる状況が多々あります。その為、1ヵ所の出入口につき2~3名の人員を割いて確認作業に当たります。他の人の陰に隠れて体が見えない場合、下を向いていて本人の顔が見えない場合を考慮し、各々が違う場所で違う角度から見えるように配置され張り込み(監視)を行います。
下記の図は、調査員が食事を摂る悪い例です。
言わずもがな、口に入れ過ぎです。
ぽろぽろぽろぽろコボシてしまい、これでは飲み込めず急に走ることはできません。
他の調査員と連携を摂りながら、状況を見ながら食事を摂りましょう。
お昼時・夕食時の時間帯で張り込みをすることは多いです。
対象者様がお昼時に牛丼屋さんに入ったときなどは、お店の外で監視を行います。
特盛り食べたいなぁ、汁だくで。
残念なことに、調査員が食べられる食事は我慢が前提条件になります。お昼の12:00にご飯を食べるのは一般的ですが、そのような行動をしない対象者様も多くいらっしゃいます。ダイエットをしているから食べない、食べ過ぎたからもう少し後でいいやと、夕方になってお昼ごはんを食べることもあります。
その間、調査員は尾行をしているので食事を摂れる時間というのは基本的にありません。
おにぎりやパン、またはクッキーなどをカバンの中に仕舞い、タイミングを見計らって口にすることが必要となってきます。
もう、お家に帰りたいよぉ
お家にはシャワーが有り、ベッドがあり、食べ物があります。
休みたくなるその気持ち、わかります。
暑い!寒い!
目が疲れ、足が疲れ、どこかに座りたい。
張り込みは、ただ待って見るだけという簡単なことに感じるかもしれません。
それが難しいのです。実際は、1時間の監視であっても気を張り体力が削られます。似たような人がいれば、走って追いかけて確認することは必須です。やっぱり違うから戻ろう。ここにいて自分は不審者に見えないかな。あ、そんなこと考えてる間に出てきた!
尾行・張り込みは忍耐力、そして集中力が必要です。
調査がいつ終わるともわからない状況の中、1秒1秒の一瞬を常に見続ける必要があります。
しかし、何よりもお客さまの為に。
我々は今日も、どこかでアンパンを頬張ることでしょう。
弊社では、探偵学校を開講しています。
探偵になりたい方、探偵を知ってみたい方を応援いたします。
ベテラン講師が懇切丁寧に教え込み、尾行・張り込みができる探偵を育てます。
尾行・張り込み、ビデオカメラの撮影方法や編集技術といった技術はもとより、人間形成にも力を入れて、社会人としてのあいさつや気遣いまで共に学んで歩む姿勢を築いています。
将来の目標としての探偵でも、知らない分野への挑戦でも、あなたの「やる気」をお待ちしています。
一緒に、張り込みをしながらアンパンを食べませんか?
【参考写真】
著作者:stephcarter
著作者:likeaduck
著作者:Gilles Gonthier