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5.142016
女子中学生2人が手をつなぎ飛び込み自殺 ー 若者の死因は自殺が最多
2016年5月9日夜、東京都品川区中延の東急大井町線「荏原駅」において、中学2年生の女子生徒2人が急行電車にはねられ、全身を強く打つなどして死亡が確認されました。
2人は近くに住む13歳で、都内の中学校に通う同級生でありました。共に制服を着用して帰宅中で、電車の運転士はこう聞かれました。「2人が一緒に飛び込んだ」と。現場には、遺書と思われる手書きのメモが残されていたことから、自殺を図ったものとみられています。
若者の死因で最も多いのは自殺
日本人の死因トップ3は、悪性新生物、いわゆるガンと心疾患と肺炎です。次いで脳血管疾患や老衰、不慮の事故が続き、自殺が出てくるのはその後です。年齢別にみてみると、15歳~39歳の死因のトップは自殺です。上記の中学2年生にあたる10歳~14歳の死因の最多は悪性新生物ですが、僅差で自殺が続きます。
年齢 | 第1位 | 第2位 | 第3位 | ||||||
死因 | 死亡数 | 割合(%) | 死因 | 死亡数 | 割合(%) | 死因 | 死亡数 | 割合(%) | |
10~14歳 | 悪性新生物 | 97 | 20.8% | 自殺 | 91 | 19.5% | 不慮の事故 | 67 | 14.3% |
15~19歳 | 自殺 | 455 | 35.9% | 不慮の事故 | 336 | 26.5% | 悪性新生物 | 149 | 11.8% |
20~24歳 | 自殺 | 1,253 | 51.7% | 不慮の事故 | 411 | 17.0% | 悪性新生物 | 176 | 7.3% |
25~29歳 | 自殺 | 1,424 | 49.2% | 不慮の事故 | 367 | 12.7% | 悪性新生物 | 301 | 10.4% |
30~34歳 | 自殺 | 1,599 | 40.9% | 悪性新生物 | 635 | 16.2% | 不慮の事故 | 419 | 10.7% |
35~39歳 | 自殺 | 1,981 | 30.8% | 悪性新生物 | 1,496 | 23.2% | 心疾患 | 635 | 9.9% |
40~44歳 | 悪性新生物 | 2,872 | 28.4% | 自殺 | 2,172 | 21.5% | 心疾患 | 1,193 | 11.8% |
45~49歳 | 悪性新生物 | 4,691 | 33.4% | 自殺 | 2,207 | 15.7% | 心疾患 | 1,761 | 12.5% |
50~54歳 | 悪性新生物 | 8,209 | 39.9% | 心疾患 | 2,558 | 12.4% | 自殺 | 2,211 | 10.7% |
55~59歳 | 悪性新生物 | 14,260 | 45.5% | 心疾患 | 3,822 | 12.2% | 脳血管疾患 | 2,464 | 7.9% |
60~64歳 | 悪性新生物 | 30,908 | 49.1% | 心疾患 | 7,667 | 12.2% | 脳血管疾患 | 4,384 | 7.0% |
(出典:内閣府HP)
自殺の原因・動機
全体の自殺の原因トップは、健康問題によるものが圧倒的に多いです。
次いで経済・生活問題、家庭問題が続きます。年齢別に見ていくと、生活環境に応じて各年代の悩みの特徴が見えてきます。児童生徒の自殺は、家庭生活や学校生活に起因するものが多いです。学校に通うようになり、友人関係や学業不振等に悩む子供は多いのでしょう。思春期を迎えて色々な思いを抱くようになり、家族間に不満を抱く子供もいます。大学生になると、将来を考え進路に悩む人が多くなります。
20代、特に前半は、他の年代と比較して「仕事の失敗」・「職場の人間関係」・「仕事疲れ」といった勤務問題の比率が高くなります。20代は、職場の人間関係や仕事に対して強い不安や悩み、ストレスを抱えやすい特徴がこのデータから見てとれます。
家庭問題 | 親子関係の不和、夫婦関係の不和、その他家族関係の不和、家族の死亡、家族の将来悲観、家族からのしつけ・叱責、子育ての悩み、被虐待、介護・看病疲れ |
健康問題 | 身体の病気、うつ病、統合失調症、アルコール依存症、薬物乱用、その他の精神疾患、身体障害の悩み |
経済・生活問題 | 事業不振、失業、倒産、就職失敗、生活苦、多重債務、連帯保証債務、借金の取り立て苦、自殺による保険金支給 |
勤務問題 | 仕事の失敗、職場の人間関係、職場環境の変化、仕事疲れ |
男女問題 | 結婚をめぐる悩み、失恋、不倫の悩み、その他交際をめぐる悩み |
学校問題 | 入試に関する悩み、その他進路に関する悩み、学業不振、教師との人間関係、いじめ、その他学友との不和 |
その他 | 犯罪発覚等、犯罪被害、後追い、孤独感、近隣関係 |
内閣府が発表した【18歳以下の日別自殺者数の表】では、学校の連休や長期休暇明け直後において、自殺者数が増えることがわかりました。
特に小中高生にとって、1年の内いちばん長い連休である夏休みが明けた9月1日が格段に多くなっています。次いで新学期が始まる4月上旬、そして今回の事件もそうでしたがゴールデンウィークが終わった頃の5月上旬です。学校生活に関わるストレスがある場合、連休中に開放される分、学校生活に戻るとき大きな負荷がかかると考えられます。
10代前半までの自殺は、事前に予兆を周囲に悟らせることがないことが多いと言われています。今回の事件に関しても、亡くなった女子中学生はいつもどおり元気に登校していったと母親は答えたそうです。
いじめ問題にも共通して言えますが、子供は親に心配を掛けたくない、あるいは恥ずかしいといった気持ちから悩んでいることを隠すことがあります。日頃から行動をよく観察し、できる限り会話をしてコミュニケーションを取ることが大切です。