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親権を得たシングルマザーの約8割が養育費をもらっていない理由とは?

日本での離婚件数は、ここ数年の間は減少してきました。
それでも昔に比べると離婚する人は多くなりましたが、離婚する際に心配なのが、子供の問題です。親権を父親・母親のどちらが持つかということだけでなく、養育費の問題があります。親権の約8割は母親が持つことが多いので、母親1人で子育てをしながら仕事で収入を得るのは大変です。
あるアンケートでは、シングルマザーの人を対象に「母子家庭で一番大変な事」を聞いてみると「生活費」と答えた人が44%に昇りました。生活費の中には子供の養育費も大きな割合を占めるでしょう。養育費には、子供の学費、食費、衣料費、医療費など合わせて1人3,000万円ほどかかるとも言われています。子供が2人3人いれば、単純に2倍3倍の費用がかかるのです。

養育費とその相場は?

養育費は、離婚時に定める主要条件の1つです。
協議離婚では、お互いの話し合いで養育費を自由に決めることができるため、その取り決め方はさまざまです。一般的に家庭裁判所では、子供が成人(20歳)になるまでを基準としています。
あくまで目安ですが、相手が年収600万円で、親権を持つ母親が専業主婦の場合、14歳以下の子供1人の養育費は月額6~8万円、15歳以上で8~10万円となります。

養育費の内訳(おおよそ成人まで)

  • 食費:約670万円
  • 衣料費:約141万円
  • 医療費:約193万円
  • 子供の私物代:約91万円
  • お小遣い:約451万円
  • 教育費(幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、習い事など):約1,500万円

総計:約3,046万円


▼養育費の支払いの現状について、新宿区の調査結果があります。

【定期的に支払われている】・・・17.8%
【不定期に支払われている】・・・3.9%
【支払いがない】・・・17.4%
【取り決めなし】・・・36.7%
【その他】・・・15.9%

養育費が支払われている現状は、約20%に留まっています。
「その他」と回答した理由については「連絡を取りたくない」「相手の連絡先・居場所がわからない」が含まれます。新宿区では家庭相談で養育費について相談が可能ですが、その利用に関するアンケートでは「相談したくない・相談不要だ」を選択した人が65.9%を占めます。
そもそも夫婦間で養育費を支払うという取り決めを行っていないことが多く、その理由は「相手と関わりたくない」が40.4%、「相手に支払い能力がない」が19.9%となっています。

出典:新宿区「平成28年度ひとり親家庭等アンケート調査結果」

養育費の支払いは義務!

2011年には民法改正により、離婚時の取り決め事項として養育費の分担が明文化されました。
しかし、教育費の分担を取り決めたケースは6割ほどです。
支払いが滞ったときは、法的な手続きを経て請求でき、離婚時に取り決めているならば、家庭裁判所に履行勧告をしてもらえます。養育費に関する公正証書があるにも関わらず相手が支払わない場合には、地方裁判所に強制執行を申し立て財産の差し押さえが可能です。

養育費を望む場合には、離婚の際にしっかりと話し合い、取り決めなど法的に手続きを行うことが重要となります。

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