BLOG
1.282016
レッツ・ポジティブで大丈夫?探偵が見るベッキーと川谷絵音の不倫騒動
2016年、年明けから世間を驚かせた「ベッキーと川谷絵音の不倫騒動」。コミュニケーションアプリである「LINE」のトーク画面流出などから、今回の一見に至りました。
この不倫疑惑問題を、探偵目線で見ていきたいと思います。
【騒動の概要】
タレントであるベッキー氏が、音楽バンド「ゲスの極み乙女。」のボーカルである川谷 絵音 氏と不倫関係にあることが雑誌「週刊文春」により報じられた一件。
2人が出会ったのは2015年10月。当時、川谷氏の結婚は公にはされておらず、ベッキー氏も知らなかったとされている。しかし同年11月、川谷氏から自分が妻帯者であることが伝えられていたようだが、2人の関係は続いていた。
2016年正月には、2人は川谷氏の故郷である長崎へ行き、その際に川谷市の実家を訪れてベッキー氏を川谷市の両親に会わせている。同誌は2人のLINEでのやり取りを入手しており、2人の親しい間柄が推察できるメッセージのやり取りや、ホテルの部屋と思われるところで写した写真が掲載された。
ベッキー氏は、都内で緊急会見を開いて騒動について謝罪をし、川谷氏と食事に行ったことや長崎の実家に行ったことは認めたが、交際関係は否定しており、あくまで友人関係であると主張した。
2人の不倫関係を立証して、慰謝料請求をすることは可能?
不倫の慰謝料請求をするには、以下の要件を満たす必要があります。
- 不法行為によって損害が生じていること。
- 配偶者に不貞行為があったこと。
- 不貞行為の証拠があること。
- 不倫の相手方が、既婚者であることを知っていたこと。
- 不倫が始まった時点で、夫婦関係が破綻していないこと。
- 慰謝料請求権を放棄していないこと。
- 慰謝料請求権が時効で、消滅していないこと。
上記の要件をもとに、今回の件を当てはめて推察してみます。
①不法行為によって損害が生じていること
不倫に関わらず、慰謝料を請求するには請求者に損害が生じている必要があります。
不法行為とは、他人の故意・過失により権利・利益を侵害されて損害を被った者はその他人に対して損害賠償を請求できるという制度で、不貞の慰謝料を請求するためには、不法行為の成立要件が必要となります。
不倫の場合、離婚しなくては請求ができないということはありません(慰謝料の金額は大きく変わります)。あくまで不貞行為に対する損害賠償ですので請求は可能です。
今回の件では、不倫の事実が判明した時点で、この要件が認められることは間違いないでしょう。
②配偶者に不貞行為があったこと
この「不貞行為」が慰謝料を請求する上での法的根拠となります。
日常においては不倫や浮気という言葉が使われますが、法律上は不貞行為と呼ばれています。不貞行為とは、配偶者のある者が、自由意思にもとづいて配偶者以外の異性と性的関係をもつことをいいます。しかし、実際に性的関係の直接的な証拠を取ることは非常に困難であるといえます。2人きりでホテルを利用するといった、性的関係があったであろうことを推認できる証拠が必要とされます。
このような証拠の場合、推認できるかできないかが論点となり、結果は弁護士の力量と裁判官の判断に左右されることもあります。
今回の件では、2人きりで複数回食事に出かける、2人きりで旅行に行く、実家に行き両親に会う、といった行為に加え、ホテルの利用も確認されていることから、不貞行為が認められる可能性は高いのではないかと考えられます。
→ 不貞行為とは?
③不貞行為の証拠があること
慰謝料を請求する上で、絶対に必要というわけではありません。
相手方が不貞の事実を認めていて、請求に応じるということであれば、証拠は絶対要件ではありません。しかし、証拠は切り札として持っておくに越したことはありません。相手が認めている場合も、そのことを書面に記してもらい、証拠として保管しておいたほうが後々スムーズに解決できます。
相手が不倫を認めないときには裁判になる可能性があり、証拠は必ず必要なものになってきます。また、明らかな証拠がない段階で請求をした場合、逆に名誉毀損等で訴えられてしまう可能性もあります。相手方に言い逃れさせず、スムーズに事を運ぶためにも証拠はあらかじめ用意しておくことが自分を守る盾となります。
今回の件では、芸能人ということもあり、週刊誌により証拠となり得るような記事が掲載されました。これらの信憑性が問題となってきますが、現在までにこれらの証拠に対する否定はされておらず(公の範疇において)、2人で出かけていたことや、実家に行ったことは認めています。
あとは、流出したLINEのトーク画面の違法性の問題ですが、通常、違法性の高い方法で入手された証拠は、裁判証拠として認められません。今回の騒動では、流出源は奥さんなのでは・・・という憶測も出回っていますが、不倫の慰謝料請求という点でみれば、いずれにしろ証拠として認められる可能性は十分にあると思われます。
→ 不倫の証拠は何が必要?
④不倫の相手方が、既婚者であることを知っていたこと
不倫の慰謝料請求をするには、不倫相手に不倫をしていることへの故意または過失が必要です。
結婚していることを巧みに隠し、相手(この場合はベッキー氏)がその事実を知ることが困難であった場合、相手を責めることはできません。
ここでのポイントは、故意だけでなく過失もあり得ることです。相手に結婚していることを言っていなかったとしても、結婚していることを知り得ることが可能であったと判断される場合には、責任が生じます。
今回の件では、当初、川谷氏はファンにも結婚を隠していたためベッキー氏は知らなかったようですが、後に川谷氏から結婚の事実を伝えられていたようです。LINEのやり取りでも結婚を知っていることが推認できるものがありますので、議論の余地はないでしょう。
⑤不倫が始まった時点で、夫婦関係が破綻していないこと
すでに夫婦関係が破綻していた場合、保護する権利がないものとして不倫の慰謝料請求は認められません。
ここでは、夫婦関係の破綻をどう見るかがポイントになります。別居というのは判断の大きな要因となりますが、夫婦関係を見直すための別居という場合もあり得るので、別居=夫婦関係の破綻というわけではありません。夫婦双方による婚姻継続の意思などを総合的に判断します。
今回の件では、2人のLINEのやり取りを見る限り、川谷氏にとってベッキー氏の存在は離婚を決意するに大きな要因となっているように見受けられます。川谷氏の奥様が夫婦関係・継続についてどう感じていたかも含まれますが、この要件が認められる可能性は高いでしょう。
⑥慰謝料請求権を放棄していないこと
権利を放棄していた場合、請求はできません。
つい口頭で言ってしまった場合はともかく、特に示談を行うなど、交換条件を提示しており証拠が残ってしまっている場合は難しいでしょう。
今回の件では、川谷氏の奥様がいつから2人の関係を知っていたか、相手方(ベッキー氏)に対して何らかの行動を取ったかが不明ですが、今後の話し合いによるところが大きく、夫である川谷氏または相手方に慰謝料を請求するかどうかもポイントの1つとなるかもしれません。
→ 慰謝料とは?
⑦慰謝料請求権が、時効で消滅していないこと
不倫の慰謝料請求権は、不倫の事実及び相手を知ったときから3年、不倫があったときから20年の時効により消滅します。
今回の件では、まだ時効の問題は生じないでしょう。LINEの画面など、日付のわかるものがあれば調停・裁判時にはより有効となります。
→ 慰謝料請求の方法とは?
結論:慰謝料請求は認められる可能性が高い
これらのことからも、現在わかっている範囲から推察すると、川谷氏の奥様が相手方(ベッキー氏)に不倫の慰謝料請求を起こした場合、認められる可能性は高いのが現状と判断されそうです。
流出したLINEのトーク画面の違法性が問われますが、不倫の慰謝料請求という点でみれば、いずれにしろ証拠として認められる可能性は十分にあると思われます。
今日発売の「週刊文春」でも、ベッキー氏による「レッツ・ポジティブ」といったLINEでの発言が注目を集めていますが、スポンサーなど関係者にも多くの支障が出てきており、騒動が落ち着くことが望まれます。